修理部位は大きく分けて「外部」と「内部」とがあります。
◆外部
目立つほどに毛が抜けてしまったり、自毛との色合いがあわなくなること、また、人工皮膚が傷んだり変色してしまうことがあります。
◆内部
ベースなどの破損が主なケースとして上げられます。
装着方法により傷み方も千差万別ですが、放置しておくと修復が困難な状態になってしまうことがあります。
外側の修理(外部)
◆分髪部分の毛が抜けてしまった場合
くしが当たりやすい分髪部分はもっともデリケートな場所です。ベースの種類により以下の修理方法があります。
ネット地 | 髪を結び植えしなおして補修します。 |
スキン(人工皮膚) | 植毛後、裏側をコーティング液で補修します。 |
取り外し可能なスキン | 傷んでいる分髪部分のスキンを交換します。 |
※修理後は周囲の髪の長さに合わせてカットします。ご希望によりパーマ加工やウェーブ加工も可能です。
◆装着部分の毛が抜けている場合
両面テープなどで、装着の際に周囲の毛を内側に巻き込んでしまい、外すときに一緒に毛を抜いてしまうケースがよくあります。
こうしたかつらの場合、ベースのふちが装着部分となりますので、植毛後に裏側からコーティング液で補強します。
※修理後は周囲の髪の長さに合わせてカットします。ご希望によりパーマ加工やウェーブ加工も可能です。
◆毛髪の傷みがひどい場合
人毛 | 髪傷みがひどくパーマや染めができない場合、傷みのひどい毛を抜いて新しい毛を植えなおします。 |
人工毛 | チリツキがひどく、くしやブラシの通りが悪い場合、ピーリング(※)部分の毛を抜いて新しい毛を植えなおします。 |
※ピーリング:長年使用し続けることにより熱や摩擦、磨耗などの原因で毛先が縮れる現象。
内側の修理(内部)
◆ふちの部分のコーティングが浮いてきた場合
浮いてきたコーティングを取りのぞいて、新たに全面を再コーティングし補強します。
◆ベースふち部分にヒビが入った場合(軽度のもの)
全面的に再コーティングし補強します。
◆装着部分の布地が破損した場合
布地の破損した部分を取り外し、新しい布地と取りかえます。
※布地の破損状況によっては全面交換も可能ですが、ベースの曲面が変形する可能性がありますので破損部分のみの交換を基本としています。
修理のできないかつら
ほとんどの製品は修理できますが、以下のような場合は修理ではなく、新たに作り直さなければならないことがあります。
※以下に当てはまる場合でも、破損の状況によっては応急処置としての修理が可能な場合もありますので、詳細につきましてはご相談ください。
新品でこのようなケースが見られる場合、基本的にはメーカーに作り直しを要求するべきです。しかし、お客様のご都合により修理をご希望の場合は、当方にご相談ください。
かつらの不具合と補修例
ほとんどの製品は修理できますが、以下のような場合は修理ではなく、新たに作りなおさなければならないケースと考えられます。
しかし、破損の状況によっては応急処置としての修理が可能な場合もありますので、詳細につきましてはご相談ください。
◆フィットしなくなったかつらの補修
アール(ベースの曲面)が広がり頭にフィットしなくなった場合、型の取りなおしが必要となります。ベースを型に合わせてカットして結び植えし、さらにコーティングを施します(特に人工皮膚ベースはコーティングの際広がることが多いです)。
※最初からあわない場合は型取りミスと考えられます。
【アールの補修例】
◆髪質の不具合による補修および対応策